この記事ではRDAの特徴とメリット、RDAのセッティング方法はもちろん、他のアトマイザー(RTA・RDTA)との違いについて説明していきます。
知っておきたいVAPE用語「RDA」とは
「RDA」とは、VAPE(ベイプ)で使われる人気の「アトマイザー」の一種です。
通常、VAPEは煙を出すアトマイザーと、電力を供給するバッテリー本体のMOD(モッド)で構成されています。
アトマイザーによって変わるものは以下になります。
- 味
- リキッドの保持料
- 煙の量
RDAはRBAの一種
アトマイザーは、「クリアロマイザー」と「RBA」に大別されます。
この2つの大きな違いは、リキッドを加熱、気化させるために重要なパーツである「コイル」にあります。
クリアロマイザー:コイルを交換するだけの初心者にオススメのタイプ。スターターキットなどによく使用されています。煙量と味をいつでも安定して楽しめます。
RBA:ReBuildable Atomizerの略。ワイヤーを巻いてコイルを自作するタイプを指します。自身でコイルを巻いて抵抗値を調整することができるので、「味」や「煙の量」を自分好みにカスタマイズすることができます。
RDAはこのRBAの一種です。
RBAは財布に優しい
クリアロマイザーの場合、交換するコイル5個セットが1,500円から3,000円程度で販売されています。
対して、RBAのコイルを自作する場合、素材によって価格は上下しますが、基本的に500円程度でワイヤー9mほど、高くても1,000円程度でコットン10gほどが購入できます。
つまり、クリアロマイザーのコイル5個セット1,500円相当と同額で、自作ならワイヤー9mとコットン10gが手に入ることになります。
コスパを意識するなら、自作した方が断然お得です。浮いたお金で新しいキットを買うなどの楽しみも増えますよ。
ただ、クリアロマイザーと比べると、自分でコイルを作ってセットする手間がかかるのは確かです。面倒なことをせずにVAPEを楽しみたいという人は、とりあえずクリアロを使い、もっと味や煙量にこだわりたくなったらRBAに挑戦しましょう。
RDAはタンクがないRBAアトマイザー
VAPEは一般的に、タンクに電子タバコリキッドを溜めて吸います。
しかし、RBAアトマイザーの中には、タンクがないタイプもあります。
それが『RDA』です。イラストのようにどこにもタンクがありません。
タンクがないのでサイズが小さいのが特徴。コイルにリキッドを浸み込ませたコットンを通し、蒸気が出なくなったら、コットンに再度リキッドを浸み込ませて使います。
RBAのなかで最もスタンダードなタイプで、電子タバコユーザーでも通な人が好みます。
RDAのメリット
「RDA」を好む人がいるのはなぜでしょうか?まずはメリットを紹介します。
- 味が濃くて美味しい
VAPE専用のリキッドは種類豊富なので、その中に必ず自分の好きな味があります。
RDAを使用すると、そのリキッド本来の味をほかの方法で吸うよりもガツン!とより濃く美味しく味わえます。
それはRDAの場合、蒸気の発生する部分が吸い口により近くなるからです。
- メンテナンスが簡単!
後述する他のRBAのタイプは、RDAよりパーツが多く、タンクを洗浄するなどメンテナンスが面倒な部分があります。
しかし、RDAはパーツが少なくシンプルな構造なのでメンテナンスが簡単です。
- 手軽にリキッドを変えられる
RDAにはタンクがないので、リキッドを変えるときはコットンを取りかえるだけで済みます。
しかし、タンクがあるタイプの場合はリキッドを入れなおさなければなりません。まだリキッドがタンクに残っている状態でフレーバーを変えたいというときは、リキッドの残りを捨ててタンクを洗って、乾かしてから入れ直すことになります。
RDAならその無駄も手間も省けます。
コットンを変えて、VAPE友達のリキッドをちょっとだけもらって楽しむということもできますね!
- リキッド漏れしにくい
後述するRTAなどタンク付きのVAPEはリキッド漏れやすいです。漏れても大丈夫なようにと専用のBOXに入れて持ち運んだりするとそれなりに重くなります。
けれどもRDAは、リキッド漏れしにくく、しかもタンクがないのでコンパクトです。
リキッド漏れをさほど気にせず、手軽に持ち運べます。
RDAのデメリット
デメリットは、メリットに比べてあまりありません。強いてあげるなら、「リキッドチャージのペースが早い」という点でしょう。
気化させるリキッドが無くなったらVAPEは使用できません。RDAはタンクが備わっておらず、リキッドを溜めておくことができないので、リキッドチャージのペースは格段に増えます。
ヘビーユーザーからすると頻繁にリキッドをチャージしなくてはならないので、面倒に感じるかもしれません。
しかし最近は、デッキ下部にリキッドをいくらか溜めておける「ジュースウェル」を備えた製品もあります。
さらに、リキッドチャージの煩わしさが軽減されるBF(ボトムフィーダー)の搭載が可能なRDAも販売されています。
BFとは、ボトム(底)からリキッドを供給できるようになる仕様です。BF対応のRDAアトマイザーにはBFピンが付属されています。
また、これを使用するには、Squonker(スコンカー)というリキッドを入れておけるボトルのついたMODが必要になります。このボトルをプッシュすると、リキッドがBFピンを通ってチャージされます。
新作RDAにはBFに対応しているものが多く、とても使いやすいです。
自分で取り付けることもできますが、不安な方はベイプ専門店で対応してもらいましょう。
RBAのほかの種類
RBAには、「RDA」の他に、「RTA」「RDTA」というタイプもあります。
似たようなローマ字が並んでいるので、混ざってしまいそうですが、仕組みが異なります。
RTA
RTA(Rebuild able Tank Atomizer)とは、「Tank」とあるように、RDAと違い、タンクがあるアトマイザーです。イラストの「Glass tank」とある部分ですね。クリアロマイザーのようにリキッドをタンクに溜めておけます。
デッキに自作したコイルを設置し、タンクを取り付けて使用します。
RTAのメリットとデメリットは以下になります。
- メリット:RDAに比べ、リキッドチャージの回数が少なく済む
- デメリット:タンクにリキッド入れるので、横にしたまま放置すると漏れやすい
RDTA
RDTA(Rebuild able Dripping Tank Atomizer)は、イラストのように、どちらかと言うとRDAの仕組みに近い、デッキの真下にタンクが搭載されているタイプです。RDA+タンクという新しい構造です。
RDTAのメリットとデメリットは以下になります。
- メリット
・RTAよりもRDAに近い、輪郭がはっきりとした味が出る
・タンクがあるため、リキッドのチャージ回数が少なくて良い
- デメリット
・リキッドが漏れる可能性がある
RDAアトマイザーの使い方
RDAのビルド(ワイヤーを巻いてコイルにし、コットンを通すこと)に初めて挑戦する方に向けて、手順をまとめます。
用意するものは以下です。
- ワイヤー
- ニッパー
- ドライバー(コイルジグ)
- セラミックピンセット
- ハサミ
- コットン
ワイヤーを用意する
まず、RDAの一番大事な部分となるワイヤーは以下の素材のものから選びましょう。
- カンタル
- ニッケル(Ni)
- ステンレス(SS316)
- チタン(Ti)
一般的に使われる素材は、カンタルです。
ニッケルやSS316、チタンに関してはお好みで。
というのもコイルによって以下の点が変わってくるからです。
- 味
- 煙の質(シルキーさ)
- 固さ(ビルドの難易度)
- 立ち上がり(待ち時間なくすぐ吸えるか)
VAPE専門店の店員さんに自分に合うコイルタイプを相談してみるのも良いでしょう。
また、ワイヤーには太さ(G=ゲージ)があり、20G〜30Gまで、さまざまです。
細くなるにつれてG数が上がります。
ワイヤーは24G〜30Gがオススメです。
20Gでは太くて硬く、巻きづらいです。
30Gでは細くて柔らかく、強度が弱いです。
今回は「HW6015」というNI(ニッケル)・Fe(鉄)・Cr(クロム)の合金で、熱を加えても変形しにくいワイヤーを使用します。25Gですね。
それでは、ビルドの手順を説明していきます。
ドライバーなどに巻きつける
ワイヤーを10cm程の長さに切り、ドライバーに巻きつけコイルを作ります。
※今回はコイルジグという専用の器具を使用しています。
このようにクルクルと8巻きほど巻き付けましょう。
両端に足が残りましたが、実はこの長さによっても味が変わります。
毎回ブレなくお気に入りの味で吸いたいですよね。
そんなときに使えるのがこの器具です。
お気に入りの長さ(mm)の数字が書いてあるところにワイヤーの足を通して、
表面から出ている部分をニッパーでカットします。
こんな感じですね!
いちいち定規で測る手間もかからず、毎回同じ味を楽しめるようになります。
もしもお持ちのアトマイザーがポストタイプ(イラストのPostのようなワイヤーの足を通して固定する穴がある)なら、それに合わせてカットすれば、毎回だいたい同じ長さになるので、器具を使わなくてもOKです!
アトマイザーに装着する
それではアトマイザーに作成したコイルを装着していきます。
RDAアトマイザーを開けてコイルの装着部分を出します。
ちなみに今回使用するアトマイザーはwotofoのリカーブRDAという、めっちゃカンタンに味の出る神アトマです!
デッキはこんな感じです。
シングルデッキのポストレスタイプですね。
こんな感じでコイルをセットしていきます。
穴が2つの場合は、コイルの片側の足を片方の穴に、もう一方は違う穴に入れてセットしましょう。
写真のように4つ穴で、2穴が2つずつ縦に並んでいる場合は、片方の足は上の穴に入れ、もう片方は反対側の下の穴に入れます。
斜めに挿してあげないと、ショートするので気をつけましょう!
この段階でコイルの位置を調整すると、より美味しく吸えます。
Ω数を確認
ここでΩ数(抵抗値)を確認します。
バッテリーMODには電子制御板付きで一目でΩ数を確認できる「テクニカルMOD」と、電子制御板なしの「メカニカルMOD」があります。
メカニカルMODを使う場合、安全に使えるようにオームの法則をもとにΩ数等を計算したり、コイルの巻き数を調整したりする必要があります。
これを怠ると爆発する危険性もあるので、初心者にはおすすめしません
ただ、デザインがかっこいいものが多く、簡易なパーツ2つのみでできているので壊れにくいといったメリットはあります。
挑戦したい方は、まずVAPEショップで相談しながら設定するのがオススメです。
今回は「テクニカルMOD」を使いますね。
Ωは0.3〜2.0くらいに合わせると良いでしょう。コイルの巻き数を変えればΩ数を調整することができます。
Ω数は次の工程の焼き付けの時に確認してもOKです!
ドライバーン(焼き付け)
ドライバーンとは、コイルを焼き付けることです。
通電させるとこのようにコイルが赤くなっていきます。
かなり明るくなるほど熱します!
赤さにムラが出たら、セラミックピンセットを使用します。
ギュッギュッと挟むと、コイルの形が整い、均等に赤く光るようになります。
セラミックタイプのピンセットを使わないと、コイルが焼き切れてしまうので、気をつけましょう。
コットンをコイルに通す
焼き付けが終わったら、冷めるのを待ってコイルの中にコットンを通していきます。コイルが熱くなっている時に通すとコットンが焦げてしまうことがあります。やけどもしてしまうかもしれないので…。30秒くらい待てば大体冷めます。
使用するコットンはメイク用のコットンでもOKです。
ちなみに、VAPEで使うコットンのことを「ウィック」と呼びます。
大きいコットンは割いて使います。
コットンをこのように「こより」状にして、コイルに通していきます。
通りました!けれどもこれでは長すぎるので…
このくらいの長さまでコットンをカットします。
そして、バサバサとケバ立たせます。こうすることでリキッドが染み込みやすくなります。
後はアトマイザーの蓋が締められるように、コットンの両端を入れ込めばOKです。
リキッドを染み込ませる
いよいよリキッドをコットンに染み込ませます。
コットンにまんべんなくリキッドを垂らして通電すると、ご覧の通り、モクモクと水蒸気が!いい感じです。
そうしたら、アトマイザーの蓋をして吸い口を設置すれば完成です。
おめでとうございます!
吸っていて蒸気が出なくなったらリキッドを追加しましょう。
シングルコイルとデュアルコイルがある
この手順はシングルコイルのビルドです。
コイルを2つ作成して設置すればデュアルコイルになります。
4つ穴のものはシングルでもデュアルでも使えるんです。
デュアルにすると煙がたくさん出るので、いわゆる爆煙が楽しめます。
デュアルコイルのビルド手順
簡単にビルドの手順を説明していきます!
同じ太さのコイルジグ2つにコイルを巻きつけ、
こんな感じでセット。このアトマイザーはポスト付きです。足は一つが左上と右下なら、もう一つは右上と左下、というように、互い違いになるようにポストに通します。
セットしたらコイルジグを抜きます。
横から見るとこんな感じ。
コイルの形を整えました。
さて、ドライバーンしていきますよ。
赤ではなく、青です!
実は使ったコイルが…
これなんです!
「ニクロム」。Ni(ニッケル)とCr(クロム)の合金なんですが、これを使うと青く焼き付けられます。
熱がある程度冷めたらコットンを通していきましょう。
細くカットしたコットンを…
こんな感じで通して…
コットンの両端をカットして、バサバサとケバ立たせて、
両端を入れ込みます。
リキッドを垂らして…
おっとΩチェックしときましょう。これ結構攻めた数字です。
通電すると、モクモクモクと…!
シングルよりもやっぱり煙量が違います。爆煙ですね!
爆煙が楽しめるのがデュアルの醍醐味ですが、シングルに比べて早く味が薄くなり、リキッドもバッテリーも消費量が多くなるというデメリットもあります。
とはいえシングルに慣れたら、ちょっと試してみるとよいでしょう。
RDAアトマイザー22mm&24mmおすすめランキング
RDAに挑戦したいけれど、どのアトマイザーを買えばいいのかわからない方に向けて、オススメのRDAを5つ紹介します。
第5位CTHULHU「1928 MTL RDA」
出典:https://www.amazon.co.jp/
カラーバリエーションはシルバーとブラックの二色。2,500円程度で購入できるので手を出しやすいですよね。
明快なシングルコイル仕様で、ビルドも比較的簡単!
深さ8.5mmのジュースウェル、さらにBFピン付きでボトムフィーダーにも対応しています。
エアフロー方式でリキッド本来のテイストが楽しめますよ。
第4位 Vandy Vape「Phobia V2 RDA」
出典:https://store.shopping.yahoo.co.jp/
カラーバリエーションは4色。MODに合わせて色を選ぶ楽しさもあります。人気のカラーは品切れの可能性も。
値段は3,000円程です。
シングルコイルでもデュアルでも使えるのがメリット。吸う時の音はかなり静かで、漏れにも強いです。
こちらもBFピン付きです。
第3位 OUMIER「WASP NANO RDA」
出典:https://item.rakuten.co.jp/
初心者でも使いやすいシングルコイル用のアトマイザー。
ビルドが簡単で、味もとにかく良く出ると評判。煙量も申し分ないです。
カラーも豊富で色違いで欲しくなること必至!実際もうひとつ買ったという口コミも結構あります。
製品価格は2,000円弱。BFピン付きです。
第2位 Vapefly「Galaxies MTL RDA」
出典:https://www.amazon.co.jp/
値段は3,000円程度。どんなMODにも合うシンプルなデザインで、男女ともに選びやすいアトマイザー。Galaxies MTL RDAレインボーは特に人気です。
MTL(Mouth To Lung)とは、蒸気を一旦口にためてから肺に送り込む吸い方。このMTL用のアトマイザーなので、タバコのような感覚で吸うことができます。タバコからVAPEに移行した人から特に高評価を得られるでしょう。
また、すぐに使用できるようにプリメイドコイルがセットになっています。
十分に役割を果たすジュースウェル、BFピン付きです。
第1位 Hellvape「DeadRabbit V2 RDA」
出典:https://www.amazon.co.jp/
カラーバリエーションは10色!メタル系のものもあり、あらゆるMODに合わせられます。かわいいラビットがインパクトアリです。
シングルコイル・デュアルコイルどちらにも対応。前モデルから、ジュースウェルの体積が増える、デッキポストでコイル足がカットできるなど扱いやすさがパワーアップしています。
美味しく吸えると評判!
値段は3,200円程度。BF用コンタクトピン付きです。
簡単にVAPEを楽しみたい!それならDr.stick
フレーバーの味をより良く楽しめるRDAですが、いざとなると難しそうで躊躇してしまう方は多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが簡単にVAPEを楽しめる「Dr.stick(ドクタースティック)」です。
ポッドを装着して吸うだけ!
Dr.stickはポッドと呼ばれるフレーバーを装着すればすぐに喫煙を楽しめます。
ポッド1つで1200回前後の吸引が可能。
一箱に5つのポッドが入っていますが、これは紙タバコ30箱分にあたり、コスパも良しです。
ノドにガツンと来る吸い心地
Dr.stickはニコチン0のVAPEでありながらも、ノドにガツンと来る強い吸い心地を研究し、開発されました。
紙タバコ、加熱式タバコからの移行にもおすすめです。
まとめ
今回は、VAPEのアトマイザー「RDA」の特徴や楽しみ方を紹介しました。
私自身、さまざまなVAPEを使用してきましたが、VAPEの楽しみは、自分でビルドし、オリジナルのVAPEを作ることができる点だと思います。
自作したオリジナルのVAPEで、さまざまな香りや吸い心地を思い切り楽しんでみてください。
ですが、完全なVAPE初心者の方は、まずは簡単に吸えるDr.stickから試してみるのがおすすめです!
最後に、2020年4月1日から、改正健康増進法により、一部の例外を除いて屋内での禁煙が全面的に禁止になりました。
ただ、紙巻きタバコや加熱式タバコとは異なり、VAPEについては特別な規制はなく、屋内使用も禁止にはなっていません。
しかし、喫煙者ではない人には、「タバコを吸ってる」と誤解されてしまいます。トラブルを避けるために、VAPEも喫煙スペースで楽しむようにしましょう。