タバコには、体に悪影響を及ぼす成分が含まれています。
そのなかのひとつが、多くの有害成分を含むタールです。
この記事では、紙巻タバコに含まれるタール量ランキング、加熱式タバコのタール・ニコチン量について詳しく解説します。
タールとは
そもそもタールとはどのような成分なのでしょうか。
はじめに、「タール」の英語表現や種類について紹介します。
タールを英語で
タールは、英語で「tar」と表記し、粘り気のある黒や茶褐色の乾留液のことを指します。
タバコに含まれているタールも、同じように「tar」と表します。
タールの種類
タール(乾留液)には、石炭由来のコールタールと樹木由来の木タールがあります。
それぞれの違いを解説します。
石炭由来のコールタール
石炭由来のコールタールは、石炭を乾留(空気を絶って加熱・分解)した際に生じるドロドロとした油状の物質のことです。
防腐剤として使用するほか、香料や染料、火薬、合成樹脂、溶剤、薬品などの原料にも使用されています。
なお、コールタールは、適切な扱いをしないと健康障害を引き起こす化学物質(特化物)の第二類(うち、発がん性に関連するもの)に分類されています。
そのため、労働者が業務に伴い特化物を身体に取り込むことを防ぐための健康障害予防対策が必要です。作業方法や設備、さらに事業者が守るべき健康診断や作業環境測定方法を定めた特化則(特定化学物質障害予防規則)というものがあり、それに沿った対応を取ることになります。
樹木由来の木タール
樹木由来の木タールは木材を乾留して抽出したものから、上澄み部分の木酢液を除いた油状の物質です。
防腐剤や溶剤、燃料、薬品として使用する以外に、キャンディや調味料の添加物、ヘアケア製品、石鹸などに使用されることもあります。
有害成分を含むタバコのタールとは?
タバコの成分のひとつである「タール」は、タバコの煙から一酸化炭素やガス状成分を除いた粘着性が高い粒子状物質の総称です。
タバコを吸うと歯の表面が黄ばむのはタールによるもので、「ヤニ」とも呼ばれています。
タールには、ベンゾ[a]ピレン・芳香族アミン類・たばこ特異的ニトロソアミン類など、およそ70種類の発がん性物質が含まれています。
タバコを吸うと口の中や喉、食道、肺などにタールが付着し、機能を低下させて健康を害する恐れがあるので注意が必要です。
日本で販売されているタール量の多いたばこランキング
タバコは製品によってタールの発生量が異なります。
日本で販売されているタバコの中で、タール量がいちばん多いのはどの製品でしょうか。
タール量の多いたばこランキングTOP3を紹介します。
【第3位】ピース
出典:https://www.jti.co.jp/
- タール:28mg
タール量が多いたばこ第3位は、JTが販売している「ピース」です。
ピースは1940年代に誕生したフィルターのない両切りタバコで、バニラの甘い香りが特徴。
10本入の紙箱タイプと50本入の缶タイプがあり、缶タイプは「ピー缶」「缶ピース」などとも呼ばれ親しまれてます。
タール量は28mg、ニコチン量も2.3mgとどちらも含有量が多いです。
【第2位】ジャルムスーパー16
出典:https://www.tabako-sakuranbo.co.jp/goods/goods-2793.php
- タール:40mg
タール量が多いたばこ第2位は、インドネシア産の「ジャルム・スーパー16」です。
インドネシアの高級たばこ葉に、クローブやシナモン、バナナ、バニラなどの香りがつけられています。
果実味のあるマイルドな吸い心地ですが、タール量は40mgとかなり高いです。(ニコチン量1.8mg)
【第1位】ガラムスーリア缶
出典:https://www.tabako-sakuranbo.co.jp/goods/goods-2627.php
- タール:42mg
タール量が多いたばこ第1位は、インドネシア産の「ガラムスーリア缶」です。
2位のジャルムスーパー16と同じくクローブを使ったたばこで、甘く独特な味わいがあります。
吸いやすいというレビューもあり愛好家が多い銘柄ですが、タール量は42mgともっとも高いです。(ニコチン量は2.1mg)
タール量を下げる意味はある?
製品に表示されているタール量が低いたばこなら、健康への害が少ないと考える人もいるのではないでしょうか。
ですが、低タールだからといって、たばこ葉に含まれているタール量が少ないわけではありません。
フィルター部分にある空気口から空気を取り込むことで、煙が薄まって軽い吸い心地になっているだけなのです。
喫煙状況によって、体内に吸い込むタール量は変わります。
軽いタバコの場合、本数が増えたり深く吸いこんでしまったりするケースが多く、無意識にフィルターの空気口をふさぎながら吸っていることもあります。
普通のたばこよりも低タールのたばこを吸う人の方ががんリスクが高いともいわれているため、健康リスクを考えてタール量を下げても意味はないといえるでしょう。
加熱式タバコのタール・ニコチン量は?
近年では、専用機器でたばこ葉を加熱して蒸気を吸い込む「加熱式タバコ」が人気です。
加熱式タバコは、紙巻タバコと比べてタール・ニコチンが少ないといわれています。
実際には、どの程度のタールやニコチンが含まれているのでしょうか。
実験によって測定法なども違い結果はさまざまですが、出典元のデータを参考に代表的な銘柄【アイコス・グロー・プルーム・テック】のタール・ニコチン量について紹介します。
アイコス
アイコスは、フィリップ・モリスが販売している加熱式たばこです。
アイコスレギュラー・メンソールのタール量とニコチン量を紹介します。
レギュラー
フィリップ・モリスの公式サイトにある試験データ結果によると、紙巻たばことアイコスレギュラーのエアロゾルに含まれるニコチン量は以下の通りです。
標準紙巻たばこ | アイコスレギュラー | |
ニコチン(mg/本) | 1.89(± 0.16) | 1.32(±0.16) |
タール量についての情報はありませんでしたが、このデータから紙巻たばことアイコスレギュラーのニコチン量はそれほど変わらないことがわかります。
メンソール
それでは、アイコスメンソールのニコチン量はどのくらいなのでしょうか。
同じくフィリップ・モリスの公式サイトにある試験データによると、アイコスメンソールのエアロゾルに含まれるニコチン量は1.21mg(± 0.09)という結果が出ています。
また、日本禁煙学会が発表した「加熱式タバコ:4つの真実」の中での紙巻たばことアイコスメンソールのタール量・ニコチン量は以下の通りです。
標準紙巻たばこ | アイコスメンソール | |
タール(mg/本) | 19.2 | 13.4 |
ニコチン(mg/本) | 1.0 | 1.2 |
一酸化炭素(mg/本) | 29.7 | 0.43 |
タバコ特異的ニトロソアミン(ng/本) | 557.1 | 81.4 |
データを見ると、タールとニコチン量は紙巻たばことあまり変わりません。
全体的な有害物質の量は大きく違いますが、日本禁煙学会は有害物質が減っても健康リスクが少なくなることは期待できないと注意を促しています。
出典:フィリップモリス公式サイト「確固たる科学的エビデンスと厳格な評価」
https://www.pmi.com/markets/japan/ja/science-innovation/evidence
日本禁煙学会「加熱式タバコ:4つの真実」
http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/essay/2019610.pdf
グロー
グローはブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンが販売している加熱式タバコです。
Yahooニュースに、韓国の食品医薬品安全処が行った加熱式たばこの成分調査についての記事が掲載されています。
この調査によると、ISO規格(国際標準化機構が定めた方法)によるグローのタール量は4.8mg、ニコチン量は0.1mgという結果が出ています。
出典元:Yahooニュース「加熱式タバコ「タール」紙巻きタバコより多く〜韓国行政調査」
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180615-00086511/
プルームテック
プルームテックは、JTが販売している低温加熱式タバコです。
プルームテックについてタールを含むという情報は見つかりませんでしたが、たばこ葉を使用しているためニコチンや有害物質は含まれています。
JTの公式サイトでは、「プルーム・テック・プラス」の専用リフィル別にたばこベイパー(蒸気)内のニコチン量を以下のように示しています。
製品名 | ニコチン量(mg/puff) |
メビウス・マイルド・プルーム・テック・プラス専用 | 0.03 |
メビウス・コールド・ミント・プルーム・テック・プラス専用 | 0.03 |
メビウス・ゴールド・ロースト・プルームテック・プラス専用 | 0.04 |
メビウス・ゴールド・クリア・ミント・プルームテック・プラス専用 | 0.04 |
※1回30秒の頻度で55mlを3秒間かけて計50回吸った場合の1回あたりの平均値
低温加熱式タバコなので、高温加熱式のアイコスやグローに比べてニコチン量が少ないといわれていますが、まったくないわけではないことを覚えておきましょう。
出典元:JT「プルーム・テック・プラスのたばこベイパー中成分」https://www.jti.co.jp/tobacco/responsibilities/guidelines/constituents/ploomtechplus/index.html
ニコチンゼロのタバコならドクタースティック
出典:ドクタースティック
紙巻たばこや加熱式たばこには有害成分が含まれており、ニコチン値が少ないものを選んでも健康を害する可能性はなくなりません。
ニコチンを避けたい喫煙者の方には、「ドクタースティック」がおすすめです。
ドクタースティックの商品情報をチェックしてみましょう。
タバコ葉を使用しない電子タバコ
ドクタースティックは、リキッドを加熱して発生した蒸気を吸う次世代電子タバコです。
タバコ葉を使用していないのでニコチンは含まれておらず、たばこ煙のニオイもありません。
喉にガツンと来る吸い心地で、健康を気遣いながらも本物のたばこを吸ったときのような満足感を得られる点が人気を集めています。
フレーバーは安心の国内製造
ドクタースティックには、日本の香料メーカーと共同開発したフレーバーが4種類あります。
- ストロングシガー
- ストロングメンソール
- ブルーメンソール
- ビターコーヒー
たばこに近い吸いごたえがほしい方は「ストロングシガー」、ノドにガツンとした刺激が欲しい方は「ストロングメンソール」など、好みに合わせてフレーバーを選べます。
また、フレーバーは安全にこだわり、厳しく品質管理した国内工場で製造から配送まで行っています。
紙タバコよりもコスパがいい
ドクタースティックは、メンテナンスの必要がないPODタイプの電子タバコです。
PODを本体に装着してそのまま吸うだけで楽しめ、フレーバーがなくなったらPODを交換するだけでOK。
1PODで1200回前後、1箱(POD5個入り)あたり紙タバコ約30箱分の回数を吸えるので、たばこ代を節約したい方にもおすすめです。
まとめ
タバコのタールはワインやコーヒーなどの着色汚れのように歯に沈着して見た目を悪くしたり、喉や肺などに付着して機能を低下させたりします。発がん性があるなど、あらゆる疾患の原因になることでも知られています。
また、たばこ煙に含まれる有害成分によって、受動喫煙で周囲の人の健康に悪影響を与える可能性があることも問題です。
自分のため、大切な人のために、禁煙治療を考えているけれど、ハードルが高いと迷っている方もいるでしょう。
それなら、まずはニコチンを含まない電子タバコを利用して喫煙スタイルを変えてみてはいかがでしょうか。