禁煙補助薬の一種である『ニコチンパッチ』。
ニコチンパッチは有害物質のひとつとされる『ニコチン』が含まれているため、体に悪いというイメージを持つ人もいるかもしれません。
そこで今回はニコチンパッチの特徴やタバコとの違い、注意事項について詳しく紹介します。
そもそもニコチンパッチって何?
ニコチンパッチは喫煙以外の方法でニコチンを補充することで離脱症状を緩和し、禁煙を目指す『ニコチン置き換え療法』で使用する禁煙補助薬です。
まずは、ニコチンパッチの使い方や購入方法などをチェックしてみましょう。
ニコチンパッチの使い方
ニコチンパッチはニコチンを含む貼り薬で、肌に貼付すると皮膚からニコチンが吸収される仕組みになっています。
ニコチンパッチの使用方法は医療用医薬品と市販薬で異なりますが、1日1枚、腕やお腹、腰などの部位に貼って使用するのが基本です。
標準の使用期間は8週間で、期間によってニコチン含有量の異なるニコチンパッチを切り替えていきます。
例として、薬局やドラッグストアで販売されているニコチンパッド『ニコチネル パッチ20・ニコチネル パッチ10』の使用方法を紹介します。
出典:amazon
【商品詳細】
メーカー | GSK|グラクソ・スミスクライン |
ブランド | ニコチネル |
有効成分 | ニコチネル パッチ20(20平方センチメートル):ニコチン35mg
ニコチネル パッチ10(10平方センチメートル):ニコチン17.5mg |
【使用方法】
アルミシートから薬剤をはがし、上腕部・腹部・腰背部のいずれかに毎日場所を変えて貼付します。
6週間は『ニコチネル パッチ20』を、次の2週間は『ニコチネル パッチ10』を1日1枚起床時〜就寝時まで貼付します。 6週間の『ニコチネル パッチ20』を使用したあと、禁煙を続けられる自信がある場合は『ニコチネル パッチ10』を使用しなくてもOKです。 貼付部位にやけどが生じる恐れがあるため、以下の検査や治療を受ける際は剥がしましょう。
|
ニコチンパッチの効果持続率は?
ニコチンパッチを貼っている間は、ニコチンが吸収され続けて効果が持続します。
血中のニコチン濃度を一定に保ち、徐々にニコチン量の少ないパッチに切り替えていくことで無理のない禁煙を目指すことができます。
また、自分自身の意志だけで禁煙するよりも禁煙補助薬を使用したほうが、禁煙成功率は2倍〜3倍になるといわれています。
ニコチンパッチを購入するには?
ニコチンパッチは医療機関の禁煙外来で処方されます。
2006年4月から禁煙治療に健康保険が使えるようになったことから、禁煙補助薬のニコチンパッチも保険適用の対象です。
また、薬局やドラッグストアでは一般医薬品(第1類医薬品)のニコチンパッチが購入できます。
ただし、医療用医薬品のニコチンパッチの方が種類が多く、ニコチン含有量の高いものを処方してもらうことができます。
【ニコチンパッチの種類(ニコチン含有量)】
|
ヘビースモーカーの人は市販薬のニコチンパッチではニコチンの補充が足りず、効果が不十分となる可能性があります。
ニコチンパッチは体に悪いの?
タバコが吸いたいという欲求を我慢できずに禁煙に失敗してしまうのは、ニコチン依存症が原因とされています。
タバコを吸うとニコチンの影響により、脳内で快感を感じさせる『ドーパミン』という神経伝達物質が大量に放出されます。
しかし、30分程度するとニコチンの効果がなくなり、またタバコを吸いたいという欲求が起こってイライラや不安感、集中困難といった離脱症状(禁断症状)が起こります。
この離脱症状を解消するために、喫煙をやめられなくなるのがニコチン依存症です。
ニコチンはヘロインやコカインよりも依存性が高いといわれており、ニコチン依存症から抜け出すのは難しいものです。
そこで活用されているのが、禁煙補助薬の『ニコチンパッチ』です。
ニコチンパッチによってニコチンを体内に取り込むことで、効果的にニコチン切れによるイライラや集中力の低下といった離脱症状を抑えられます。
定められた使用期間で正しい使い方をすれば、ニコチンパッチによってニコチン依存症になることはありません。
ただし、ニコチンパッチの使用により、皮膚のかゆみやかぶれ、赤みといった副作用が起こる場合があります。
また、持病を持っている人・本人や家族がアレルギー体質の人・他の薬を服用している人などは注意が必要です。
妊婦・妊娠中・授乳中の人、心臓病やうつ病を患っている人など使用できない人もいるため、医師や薬剤師に相談してから使用しましょう。
参考:https://www.med.or.jp/forest/kinen/medical/
ニコチンパッチとタバコとの違い
喫煙は急激にニコチンが体内に取り込まれることで依存しやすくなりますが、ニコチンパッチはゆっくりと体内に取り込まれます。
また、タバコには他にもタールや一酸化炭素など多くの有害物質が含まれており、自分だけでなく受動喫煙によって周囲の人にも健康被害を与えます。
ニコチンパッチにはタバコのように他の有害物質が含まれておらず、ニコチンの量もタバコより少量です。
そのため、ニコチンだけを効果的に取り込むことができ、周囲の人にも配慮しながら禁煙を目指せます。
ニコチンパッチを使用する際の注意事項
ニコチンパッチを使用する際には、いくつかの注意点があります。
ここでは、気をつけたい4つのポイントを紹介します。
ニコチンパッチを貼りながらの喫煙
ニコチンパッチの使用を開始したら、すぐに禁煙を始めましょう。
ニコチンパッチを貼りながら喫煙するとニコチンの過剰摂取となり、急性ニコチン中毒を招く可能性があります。
急性ニコチン中毒になると、以下のような症状が起こる場合があります。
めまい・頭痛・吐き気・腹痛・下痢・発汗・手足の震え・息苦しさなど |
ニコチンパッチを貼っている間はニコチンが吸収され続けるため、使用中・使用直後の喫煙はできません。
ニコチンパッチを貼っている最中に吸ってしまわないよう、きちんと禁煙スケジュールを立ててから使用しましょう。
ニコチンパッチを貼りながらニコチンガム製剤を使用
禁煙補助薬には、口の中で噛むことで粘膜からニコチンを補給する『ニコチンガム製剤』もあります。
ニコチンパッチを貼りながらニコチンガム製剤を使用すると、ニコチンの過剰摂取になります。
ニコチンパッチを一度に2枚以上貼る
ニコチンパッチは1日1枚貼ることで、適切なニコチン量を補給できるようになっています。
一度に2枚以上貼ると過剰摂取になり、急性ニコチン中毒の症状が起こる可能性があります。
医師や薬剤師の指示、商品の説明書に記載されている用法・用量を守って使用しましょう。
ニコチンフリーの電子タバコ「ドクタースティックタイプエックス」
出典:https://dr-stick.shop/
ドクタースティックタイプエックスはニコチンフリーで、ガツンとした吸い心地を楽しめる電子タバコです。
4種類のフレーバーが揃っており、タバコ特有の苦味と味わい深い煙が体感できる『ストロングシガー』やメンソールタバコ愛用者から人気の『ストロングメンソール』といったフレーバーもあります。
禁煙補助アイテムではありませんが、口寂しさを紛らわしたり、お気に入りの味でタバコを楽しめたりします。
また、ニコチンを含んでいないため、タバコと併用してもニコチンの過剰摂取になりません。
そのため、「完全に喫煙をやめられる自信がない」という人にも向いているでしょう。
まとめ
ニコチンパッチは、皮膚に貼るだけで禁煙に必要なレベルのニコチンを体内に取り込むことができます。
使用方法が簡単で、薬局・ドラッグストアで購入できるメリットがありますが、使用によって副作用が起こる可能性があるので注意しましょう。
特に、使用中・使用直後の喫煙はニコチンの過剰摂取になることから禁止されていますので注意が必要です。
それ以外にも、体質や健康状態によってニコチンパッチを使用できない人もいます。
そういった人にはニコチンフリーの電子タバコ「ドクタースティックタイプエックス」がおすすめです。
禁煙補助アイテムではありませんが、ガツンとした吸い心地なので、口寂しさを紛らわすことができます。
また、スタイリッシュでコンパクトなデザインなので、持ち歩きにも大変便利です。